
課長の私は、社内に流れた噂に頭を悩ませていた。「来月、うちの支店は閉鎖される」というのだ。根も葉もない話なのに、誰かが広めている。
私は、部署の六人を一人ずつ、月曜から土曜まで一日一人ずつ呼び、同じ二つの質問をした。「①この噂を聞いたことがあるか ②いつ、誰から聞いたか」。六人の答えは、図の面談記録のとおりだ。
私は途中から、噂を広めたのは、誰かの口が軽いせいだと確信していた。
噂を最初に広めたのは、誰でしょう?
行き詰まったら、ヒントを順番に一つずつ開封してください。
最初に面談した人は、噂を知っていましたか?
噂が生まれた時期と、面談が始まった時期を比べてみてください。
松岡さんは、誰からも聞いていないのに、いつ噂を知ったのでしょう。
噂を最初に広めたのは、誰でしょう?
真相に最も近いものを選んでください。
課長(私)
答えは「課長(私)」です。
最初に面談した森は、噂を知りませんでした。それなのに翌日以降の面談では、「昨日森さんから聞いた」「みんな知っている」と、噂がどんどん広がっています。つまり、噂は、森への質問をきっかけに生まれたのです。
私が、噂の内容を一人ずつ具体的に尋ねたことで、聞かれた人がそれを知ってしまい、誰かに話しました。松岡は誰にも聞かず、面談で私の質問から、初めて噂を知ったのでしょう。
聞き取りという行動そのものが、噂を広めていたのです。
「誰かが悪意で流した」という前提で、六人の中に犯人を探してしまいます。調べる側の行動が、状況を変えてしまうという視点が抜けています。
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