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峠の社の転落死のアイキャッチ
FILE No.011未解決

峠の社の転落死

難易度 ★★☆約5分論理パズル時系列痕跡の読み解き
神社好きの男が、石段の下で転落死した。事故に見える現場だが、警察は殺人と断定した。決め手は何か。

状況記録

古美術商の久世は、神社巡りが趣味の取引先・岡部に、「人の訪れなくなった峠の社がある」と教えた。岡部は目を輝かせ、次の日曜に行くと言った。

その社は、四十段あまりの石段の上にある。石段の中央には、古い金属の手すりが頂上まで続き、社の正面にはぽつんと賽銭箱が一つ。数年前から、参拝者はほとんどいない。

日曜の夕方、犬の散歩で通りかかった住民が、石段の下に倒れている岡部を見つけた。頭を強く打っており、すでに亡くなっていた。足を滑らせた事故のように見える。

しかし、現場を調べた警察は、久世に告げた。「これは事故ではありません。殺人です」

あなたへの問い

警察が殺人と判断した決め手は、どれでしょう。

捜査資料

証拠品

現場図面

峠の社の見取り図(横から見た図)手すり(頂上まで続く)社賽銭箱● 遺体が見つかった場所(石段の下)石段:約40段
図面

時系列

  1. 岡部、峠の社へ。手すりを握って石段を上る。
  2. 岡部が石段から転落。
  3. 犬の散歩中の住民が、石段の下で遺体を発見。

ヒント

行き詰まったら、ヒントを順番に一つずつ開封してください。

ヒント1を開封する

手すりの指紋は、岡部が石段を「上った」のか「下った」のか、どちらを示していますか?

ヒント2を開封する

もし事故なら、岡部が落ちたのは石段を「下りる」ときです。その前に、神社好きの岡部が必ずすることは?

ヒント3を開封する

賽銭箱の中に、新しい硬貨はありましたか?

推理する

あなたへの問い

警察が殺人と判断した決め手は、どれでしょう。

真相に最も近いものを選んでください。

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真相

手すりの指紋は頂上まで続いているのに、賽銭箱に岡部の賽銭がなく、参拝せずに落ちたと分かったから

答えは「手すりの指紋は頂上まで続いているのに、賽銭箱に岡部の賽銭がなく、参拝せずに落ちたと分かったから」です。

岡部は手すりを握って、石段を最後まで上りきっています。もし事故なら、落ちたのは参拝を済ませて下りる途中のはずです。神社好きの岡部は、どの社でも必ず賽銭を入れて手を合わせる人でした。ところが賽銭箱には、新しい硬貨が一枚もなく、財布の小銭も減っていません。

つまり岡部は、頂上に着いてすぐ、参拝の前に落とされたことになります。久世は「事故なら下りで落ちる」ことまで考えが及ばず、先回りして頂上で待ち、岡部を突き落としてしまったのです。

行動の順番を並べ直す事故なら石段を上る参拝・賽銭石段を下る足を滑らせる実際石段を上る賽銭は入れていない頂上で突き落とされる手すりの指紋が頂上まで続き、賽銭箱に新しい賽銭がない。→ 事故なら「参拝のあと」に落ちたはずなのに、参拝の形跡がない。
解説図

推理ポイント

  • 痕跡を「いつ」「どの順番で」起きたかに並べ直す
  • 「あるはずのもの」がない、という不在も証拠になる
  • 犯人の筋書き(事故)に、現場の事実を一つずつ当てはめる

なぜ騙されるのか

神社で人が転落したと聞けば、「足を滑らせた事故」と読むのが自然です。しかも岡部が神社好きだったことが、彼がそこにいた理由を完璧に説明してしまい、「いつ落ちたか」を考える機会を奪います。

類似トリック

  • 「あるはずの痕跡がない」ことから、時系列の矛盾を突くタイプ
  • 事故を装った現場で、行動の順序を検証するタイプ

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