
美術館が、『19世紀の巨匠の風景画』として公開した絵の隅の机に、ペットボトル入りの飲み物が描かれている。ペットボトルが飲み物の容器として実用化されたのは、1970年代以降である。
技術鑑定の結果、ボトルの部分の絵の具は、周りと同じ層で、同じ細かなひび割れが連続しており、後から描き足した跡はない。さらに、ボトルのラベルの赤からは、1950年代以降にしか作られていない合成顔料が検出された。同じ顔料は、空の青の層からも検出された。写真は加工されていない。
この絵について、確かに言えることは、どれでしょう。
行き詰まったら、ヒントを順番に一つずつ開封してください。
ボトルの部分は、後から描き足されたものですか?
ラベルの赤の絵の具は、いつ以降のものですか?
同じ顔料は、ほかの層にもありますか?
この絵について、確かに言えることは、どれでしょう。
真相に最も近いものを選んでください。
『19世紀に完成した絵』という説明は、事実と合わない
答えは「『19世紀に完成した絵』という説明は、事実と合わない」です。
ペットボトルが実用化されたのは1970年代以降です。さらに、1950年代以降にしか作られていない顔料が、ボトルだけでなく空の層からも見つかっています。画家が未来の容器を想像して描いたとしても、19世紀には存在しない顔料までは使えません。絵は、1950年代以降に描かれたものです。
後世の修復者が描き足した、という説は、同じ層・同じひび割れという鑑定結果と合いません。写真は加工されていません。いつ、誰が描いたのかまでは、ここからは分かりません。
『名画』という肩書きがあると、絵の中身の確認を省いてしまうからです。
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