
夜、雪がやんだ。翌朝、母屋から少し離れた建物で、主人が刺されて亡くなっているのが見つかった。
母屋から離れの玄関へ、一人ぶんの足跡が、まっすぐ続いている。離れの周りには、ほかの足跡は一つもない。離れから母屋へ戻る足跡も、ない。足跡は、すべて、離れの方向に向いている。
離れに、ほかの出入口はなく、犯人は離れの中に、もういなかった。足跡の主は、離れの中の主人と話した、と母屋の使用人が言っている。
足跡を調べると、一歩ごとの、つま先の向きが、すべて離れの方向だった。ただし、足跡のかかとのあたりが、通常より深く、そして、前後に、細かく重なっている箇所が多い。
犯人は、どうやって、足跡を残さずに、母屋に戻ったのでしょう。
行き詰まったら、ヒントを順番に一つずつ開封してください。
足跡のつま先は、どちらを向いていましたか?
かかとが深く、重なっていたことが、何を表していますか?
帰りの足跡を、新しくつけない方法は?
犯人は、どうやって、足跡を残さずに、母屋に戻ったのでしょう。
真相に最も近いものを選んでください。
来るときに踏んだ足跡の上を、後ろ向きに歩いて戻った
答えは「来るときに踏んだ足跡の上を、後ろ向きに歩いて戻った」です。
犯人は、母屋から離れまで、まっすぐ歩いて足跡をつけました。帰りは、その足跡に、自分の足を重ねるようにして、後ろ向きに歩いて戻りました。そうすると、つま先は、すべて離れ向きのまま、足跡は一本のままで、行きだけの足跡に見えます。
かかとのあたりが深く、細かく重なっていたのは、同じ場所を、行きと帰りで二度踏んだ跡です。雪の上の足跡は、「向き」を信じすぎると、見誤ります。
「一本の足跡=一回の移動」と思い込み、帰りの足跡がないことに、不思議さを感じないからです。
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