
山道で、輸入車がガードレールに衝突した。車に乗っていたのは、男性の矢田と、女性の小宮。事故のあと、助かったのは小宮だけだった。矢田は亡くなった。
小宮は警察に、こう説明した。
「運転していたのは矢田さんです。私は助手席ではなく、左側の席に座っていました。矢田さんは、なぜかとても急いでいて……」
ところが、事故の保険金は、運転者の過失で大きく減額される。もし矢田が運転者なら、小宮は多くの保険金を受け取れる立場にあった。
この車は輸入車で、ハンドルは左側にある。ほかに、事故を目撃した人はいない。
小宮の証言の、どこがおかしいのでしょう。
行き詰まったら、ヒントを順番に一つずつ開封してください。
この車は、輸入車です。ハンドルは左右どちらにありますか?
運転席があるのは、車の右側とは限りません。
小宮が自分で言った「左側」という言葉を、車の構造に当てはめましょう。
小宮の証言の、どこがおかしいのでしょう。
真相に最も近いものを選んでください。
左ハンドルの車で左側に座っていたなら、運転していたのは小宮だから
答えは「左ハンドルの車で左側に座っていたなら、運転していたのは小宮だから」です。
左ハンドルの車では、運転席は左側にあります。小宮は「助手席ではなく、左側の席に座っていた」と自分から言ってしまいました。つまり彼女の言葉どおりなら、運転していたのは小宮自身です。
日本の車は右ハンドルが一般的なので、「左側=助手席」と思い込むと、この矛盾に気づけません。小宮は、車の構造を意識せずに、本当の座席を口にしたのです。
日本では「左=助手席」が常識です。この常識が、輸入車の話にも無意識に入り込みます。
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